三不管

《三不管》林家棟(ラム・ガートン)、連凱(アンドリュー・リン)、田蕊妮(クリスタル・ティン)、方皓玟(シャーメイン・フォン)、陳望華(アレキサンダー・チャン) 
邱禮濤(ハーマン・ヤウ):監督 DVD


「紀元2046年、季節の無い都市。犯罪が激増、人口の50%が犯罪者になり、監獄の経費は政府に重い負担をしいていた。経費節減のため、政府は圍城を建設、監獄の自治計画を実施した。外と隔絶された監獄内は、犯罪者が犯罪者を管理した。自治監獄は自給自足が出来ず、血を売ることで、外部から物資を購入していた。自治監獄は存在しながら自滅し、法も正義もなく、ごみためのごとく人々が存在している」と字幕が出て物語は始まる。


2046年、外の世界には疫病が蔓延しはじめていた。警官と犯罪人は車の事故で誤って圍城の中に入り込んでしまった。圍城を管理しているのは烏鴉(陳望華)とよばれている男。圍城に住むものは耳にリングをはめられており、圍城を一歩外に出ると爆発する仕組みになっている。リングを外せるのは烏鴉だけ。闖入者の2人(林家棟と連凱)、1人は警官で1人は犯罪者。阿玲(田蕊妮)は、かつての恋人で娘・阿恩(方皓玟)の父親・大海(林家棟)を警官だと、嘘を烏鴉に吹き込んだ。彼女の狙いは・・・・。


ぷんぷん臭うB級臭。ナチスドイツを思わせるような旗、教会を思わせる建物内部、烏鴉が着ているロングコートもどこか軍服風だったりするところも十分にB級臭たっぷり。たぶん少ない予算だとと思われるが(フィルム撮りではないようだし)、邱禮濤はうまくまとめている。圍城がより複雑な内部を持ち迷路のようだと面白いだろうし、さらにもっとはちゃめちゃで突き抜けていたら良かったのに。親子の愛を持ち込んだところで、有る程度の先が見えてしまったのがいたく残念。
《愛情萬歳》では出番が少なく目立たなかった方皓玟が、顔を黒く塗りながら強気な阿恩をおもいっきり演じていて、なかなかよい。林家棟とのからみでも、存在感を見せていて拾い物かも。田蕊妮は無難、連凱は昔の怪しさがなくすっかりいい人面で、少々つまらない。烏鴉を演じる陳望華は、《旺角黒夜(ワンナイト・イン・モンコック)》で張栢芝セシリア・チョン)や呉彦祖ダニエル・ウー)をいたぶる華哥を演じていた人物。本来は裏方(製作やプロデュース、副導演など)らしいが、《旺角黒夜》同様に威圧的な悪役を演じている。
いきなりのDVDスルー作品、たしかに映画館ではちとつらい。


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