青瓜(黄瓜)

《青瓜》蒋中偉、王在和、尚夏 
周耀武:監督


キュウリを巡る3つの物語というか、キュウリが物語のスパイス。舞台は北京郊外の街(たぶん)。
路上で屋台を引いて野菜を売る一家は、一生懸命働いて、息子は大学にやろうと考えている。一家は所場代を払えと地回りに脅される。息子は不良にかつあげにあうが金を持っていない。リュックからキュウリを取り出して半分に割って、不良2人に渡して許してもらう。
40過ぎで仕事を首になった男一家。男は屋台で野菜を買って帰る途中、高速道路の高架下に自生するキュウリを見つけとろうとする。息子は父が作る食事よりマックがいいと100元をねだる。貰えないと分かると、友人とかつあげ。父は下半身がいうことを聞かなくて薬にたよってことに及ぼうとして妻にはねつけられる。ふてくされた夫はキュウリをかじる。妻は夫の留守に見知らぬ男を部屋にいれていたのを息子が見つけてしまう。
若い男は映画を撮りたいと考えているが、夢は叶いそうにない。ある日彼女から別れを切り出され、逆上して彼女に斬りつける。(どこにキュウリが登場したのだったろうか??)
ちなみに、ここに登場するキュウリは日本のそれと違って、長さが30センチぐらいある。香港でも普通に売っているキュウリといえば、この長いキュウリのこと(短いのも売ってはいる)。そしてキュウリは野菜なので、炒めても食べる。


大陸映画。最初はかなりの時間台詞がなく、物語が見えてこない。徐々に物語が動き出していってからは意外に面白く、ところどころにユーモアもある(もちろん普通の意味では退屈だが)。しかし惜しいのはビデオ撮りで画面が暗く全体に靄がかかったようになっていたこと。特に夜や夕方になると致命的で、陰影がまったく見えず、ただ暗いだけで何が行われているのか判別不能。さらに初めの部分、音声が小さくて聞こえなかった。それにしてもマックでハンバーガーやポテトを食べることがごちそうだという間違った概念が中国の田舎には浸透しているんだろうなー。中文字幕が付いたフィルムが間に合わなかったため、英語字幕のみの上映だった。
2008.10.14@百老匯電影中心(香港亞洲電影節)


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