李米的猜想(愛失償)

《李米的猜想》周迅(ジョウ・シュン)、張涵予(チャン・ハンユー)、鄧超、王寶強、王硯輝 
曹保平(ツァオ・バオピン):監督


李米(周迅)は、ある偶然から4年も行方知れずだった彼氏の本当の姿を知ってしまう。


タクシー運転手の李米(周迅)は、タバコをすぱすぱ吸いながら、客におかまいなしにぶつぶつと数字をつぶやいている。彼女は4年もの間、手紙だけを寄越しているが行方の分からない彼氏を探していたのだ。
たまたま載せた2人の男(王寶強、王硯輝)は、何やら焦っている様子。釣りがないので、李米が車を降りて金をくずしているうちに、車から男の写真がいっぱい挟まった雑誌を拝借していなくなった。2人は橋の上で待ち合わせていたと思われる男が突然橋から身を投げたことに唖然となる。落下した男は車に直撃した。車の運転手([登β]超)は連れの女性と外へ飛び出す。橋の上から下の様子を見ていた男は、先ほどタクシーから失敬した雑誌を橋の下に落としてしまう。それを拾った車の運転手は驚く。雑誌に挟まれていたのは、自分の写真だったからだ。車の運転手は雑誌を落とした男を追いかける。追われる2人は逃げる。今日中に飛行機に乗って広東へ行かなければと焦る2人。逃げる途中で拾ったタクシーは再び李米のタクシーだった。男たちは親切な李米を騙して、人里離れた場所へとタクシーを走らせて行った・・・。


精神が不安定そうにぶつぶつ数字をつぶやいたり、タバコをすぱすと吸ってみたり、男に脅されおどおどしたり、大声でどなったりと、周迅がでずっぱりで様々な表情を見せて、とても上手いし魅力的。周迅は好きな女優の1人。さまざまなイメージを作り上げられる可変性を備えている。あのがらがらの声もいい。この映画では1本の映画の中で、そんな周迅の様々な姿が見られる。周迅の演技力があって成り立つ映画だった。
その他の出演者もくせ者ばかり。張涵予は公安役で、いい感じにかっこいい。《天下無賊》にも出ていた王寶強が、ここでも独特の役柄で印象に残る。
物語はあり得ない話しだが、観客にそんなことを考える隙をあたえず、ストーリーは進んで行く。それもエンストを起こしたそうな車がぶるぶるとエンジン音を鳴らしながらがたがた道を進んで行くように、行きつ戻りつ、時にスピードを上げてみたり、予期せぬ出来事に遭遇しながら、不規則に進んで行く。登場人物の行動の目的を探っていくというミステリー要素もあり、なかなか面白かった。ただし最後の周迅の語りは少し余分だったような気もした。なお映画の舞台は昆明
2008.10.15@Palace Ifc(香港亞洲電影節)


■□08年に見た映画一覧□■