蝴蝶夫人

《蝴蝶夫人》李麗華、黄河、羅維、鍾情 
易文:監督 1956年 新華 モノクロ(パートカラー) 
粤語吹き替え 無字幕


日本へ留学している家明(黄河)は、子供のころから決められていた許嫁がいたが、日本のミュージカルスター香子(李麗華)に恋する。家明は香港の父母には内緒で、香子は叔母の反対を押し切って2人は結婚するが、間もなく香港の母が足が不自由になったと手紙がやってくる。香子や友人に諭され香港へ戻ると、母の病は家明を香港へ戻すための嘘だった。香港へ戻った家明に父は日本での行状を非難し、許嫁と結婚するよう強要する。日本の香子への手紙には真実を書けず、待っていてくれと書いたたよりを何回も出す。そのうち香子は女児を出産するが、家明は帰ってこない。香港ではやけ酒を飲んだ家明が事故にあい、足を折って入院した。その間に子供を連れた香子は生活を切り詰め、引っ越したが、香港へ送った手紙は家明の父によって燃やされていた。日本では香子がひたすら家明の帰りをまっていた。


初めは帝国ホテルや銀座あたりが映って、いろいろ期待したのだが、それ以外はロケも多くなく、少しがっかり。後楽園が出て来るが、これは小石川後楽園のことだろう。ここで初めて2人が出会う。
さらに話しが少々退屈だった。李麗華が着物の似合う顔立ちではないのに加え、着物を着てしなの作り過ぎで奇妙だった。セットや美術には東宝が協力しており、かなり頑張っていたが、セットがところどころ不思議。畳がゴザのようだったり、障子やふすま、座卓などが微妙にどこか可笑しかった。舞台上の踊りでは宝塚歌劇団花柳流が協力、この部分がパートカラー。これがまた不思議な中国語の歌とバックには蝶々の恰好をしたダンサー、中央に振り袖の李麗華という和洋中折衷な舞台だった。2人が結婚する時に友人たちが歌う歌には「花嫁(はなよめ)」という日本語がちりばめられていた。
なお「蝶々夫人」は悲劇で終わるが、この映画はハッピーエンドで終わる。
2009.5.10@香港電影資料館(兒女情長:易文電影)


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