海棠紅

《海棠紅》李麗華、王引、鍾情、陳厚 
易文:監督 1955年 新華 
国語 カラー 日本語字幕付き
(川喜多財団所有フィルムからのコビー)


兄は警官、弟は世間を騒がしている大泥棒の海棠紅(王引)。兄が自分の行状に気がついたのではと思った海棠紅は、子供が生まれたこともあり泥棒稼業から足を洗おうと考える。ところが妻(李麗華)は、賭け事に夢中で、さらに情夫までつくっていた。争いの末、あやまって妻の情夫を殺した
海棠紅は自首、娘を兄のもとに預け、自分の娘として育ててくれと頼んだ。
月日は流れ、娘は美しく成長して銀行家の息子と結婚することになった。娘の母は、パトロンを見つけ賭場を開き、女たちと荒稼ぎをしていたが、このところ上がりが少なくなってきていた。そんな時、娘の結婚を知り、警官の元義兄の家を尋ね、娘を返してくれというのだが・・・・。


この日、3本見たのだが、これが一番面白かった。なんといっても李麗華の妖艶で鼻っ柱が強い悪女役がいい。この人は清楚な花嫁なんかより悪女の方が断然に似合う。それと王引の娘を思う悲しい親心もいい。その他の配役もぴったり。元の話しがよく出来ているのだろうと思う。最後までハラハラさせ、ほろりとさせる。
解説によると1949年岳楓《血染海棠紅》のリメイクで、イーストマンコダックのカラーを採用するため全編日本で撮影した合作映画。上映された版は川喜多財団のフィルムをコピーしたもので、日本語字幕が焼き付けられていた。元の《血染海棠紅》も見てみたい。
2009.5.10@香港電影資料館(兒女情長:易文電影)


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