獅子山下:野孩子

《獅子山下:野孩子》汪偉、陳立品、鄭子敦、阮兆輝、梁潔芳 
方育平:監督 1977年 粤語 カラー 英語字幕


阿海は祖母に預けられている。祖母の住まいは斜面にある墓地を登ったところ。墓地には墓参りの人々に少しばかりの手伝いをしてお金を貰ったり、埋葬にくる人々から施しをもらったりして生活している子供たちがたくさんいる。祖母は阿海にそんな子供たちとつき合ってはいけないというが、廻りに友人のいない阿海は、自然と彼らと同じように墓参りの人々からお金を貰う生活をするようになっていった。墓地にはもう1人、ヤク中の青年が住み着いていて、子供たちの集めた金をひったくってヤクを買う生活をしている。阿海は、青年に金の隠し場所を見られため、別の場所に隠す。子供たちはみなで協力して青年をやっつけようと考える。
そんなある日、高齢の祖母は体調が思わしくなく、阿海に墓地の下にある墓石屋を呼んで来るようにいうのだった。


解説によると監督と脚本家の子供のころの体験を元にしているという。墓地の子供たちは、孤児なのだろうか。貧困の中でも子供は元気に生きている。しかしその場所が「生」とは正反対の「死」を最も色濃く象徴する墓場だという対比が強烈だ。常日頃、「死」のその後(埋葬や墓参り)を見ていた子供が初めて自らに関係する「死」に対面し、痛みを知って声を上げて泣き叫ぶ姿は痛々しい。
2009.7.25@香港電影資料館「蛍影相随・戲・夢・人生―方育平回顧展」


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