獅子山下:夜遊人

《獅子山下:夜遊人》朱江、汪偉、陳儀馨、余慕蓮、王克 
方育平:監督 1978年 カラー 粤語 無字幕


本部からの無線で警察より先に現場へかけ付ける民報の新聞記者(朱江)は、路上に倒れている者の写真を撮り、持ち物から名前と住所を知り家族を尋ね、家族の家から勝手に生前の写真を持ち出しスクープを狙う。車に取り付けられた無線に興味を持った男の子の母はクラブで働いている。「無線があったらお母さんといつでも話ができるのに」という。夜の街でたびたび顔をあわす記者と男の子、一度は車に乗せて夜の街をドライブした。男の子は母親に電話のおもちゃを買ってもらった。夜の街では男の子につきあって、おもちゃで遊んでくれる人はいない。1人さびしく電話で遊ぶ。
記者はある夜、本部から「事故、5、6歳の男の子」という無線を聞く、急ぎ現場に向かう記者・・・・。


劇中事件は3回発生する。最初は自殺者で、記者はスクープのためなら人を人とも思わないような傍若無人ぶりな行動を見せる。2度目、男の子を車に乗せてドライブ中に転倒した車を見つける。写真を撮るのは忘れないが、転倒した車から運転手を引きずり出してやると、ガソリンに引火して車が燃え上がる。3度目は男の子の事故。自分と面識のある者の事故に記者は激昂する。最初は非情と見えた記者にも良心があり、誰より心の痛みを感じられる人間だった。報道に携わるもの、報道ができることとはと問うていく。
2009.8.1@香港電影資料館「蛍影相随・戲・夢・人生―方育平回顧展」


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