一生一台戲(ア・リトル・ライフ・オペラ)

《一生一戲》楊貴媚(ヤン・グイメイ)、趙文瑄(ウィストン・チャオ) 
方育平:監督 1998年 


福建省の地方劇の劇団員たちの話。楊貴媚はチマキ屋を手伝いながら、高甲戯の劇団を切り盛りしている。かっては劇団に所属していたが、いまは実業家となっている男(趙文瑄)が、久しぶりに村に戻ってきて、劇に飛び入りしたりする。楊貴媚は彼に密かな思いを抱いているのかもしれないが、口には出さない。楊貴媚には実の娘と、娘同様に育てている親戚の娘がいる。娘たちを普通の大学へいかせたいと考えているが、娘がひそかに北京の演劇学校を受験しようとしているのを知り、楊貴媚は娘たち2人を北京の演劇学校にやることにする。
劇団の花旦と丑角(でいいのかな?)は仲の良い夫婦のはずだったが妻が出奔しまう。
趙文瑄の義父の誕生日、趙文瑄の妻はある劇団に公演を依頼したが、義父は劇団が下手だといって居眠りばかり。困り果てた妻は楊貴媚の劇団に公演を頼もうとするのだった。


地方の劇団の存在が興味深い。舞台に惹かれ演じ続ける人、一度は舞台を離れたがやはり舞台に戻りたいと思う人、これからを舞台で生きようとする人。映画では3つの異なった思いが描かれる。趙文瑄は実は顔が少し苦手。1998年の作品ということは香港返還後すぐ、台湾の俳優を起用して福建省で撮影した映画ということになるのだが、苦労は無かったのか気になる。
途中でかつて見た事があったのを思い出す。どうやら東京国際映画祭で上映されたのを見ていたようだ。せんきちさんご指摘の台詞につていは(id:hkcl:20090618のコメント)、吹き替えと本人の声の違いががよく分からなかった。
2009.8.1@香港電影資料館「蛍影相随・戲・夢・人生―方育平回顧展」


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