今夜星光燦爛

《今夜星光燦爛》林青霞(ブリジット・リン)、林子祥(ジョージ・ラム)、呉大維(デビット・ウー)、爾冬陞(イー・トンシン)、呉宇森ジョン・ウー)、潘迪華(レベッカ・パン) 
許鞍華(アン・ホイ):監督 1988年 邵氏 DVD


社工(ソーシャルワーカー)の彩薇(林青霞)は現在、問題児を1人担当している。学校に行かず、マカオに逃避している天安(呉大維)だ。マカオまで天安を探しに行った彩薇は、口のうまい天安にうまく丸め込まれるだけでなく、天安は彩薇に好意を示し、彩薇もにくからず思うようになる。20年前学生だった彩薇は、妻のある教授・張(林子祥)に恋した苦い思い出があった・・・。20年前の彩薇と教授の恋と、現在の彩薇と天安の恋が、交錯しながら語られていく。


前から見たいと思っていたが、機会がなく見られなかった作品。ようやくDVDで見た(かつてVCDが売られていたような気がするが入手できなかった)。これを見て、すぐに思い出すのは《男人四十》。というより《男人四十》より前に、教師と教え子の恋と現在の恋が平行して描かる物語がすでにあったわけだ。もちろん2つの作品の脚本家は別である(《今夜星光燦爛》は梁淑華、《男人四十》は岸西)、細かく見ればまったく別の物語である。「許鞍華説許鞍華」でも2つの物語の類似性については語られてはいないようだが、《男人四十》の脚本については「岸西がいくつかの物語を話した。彼女自身はその中の1つが大好きだが、文芸作品で誰も撮ろうとしない」と言っている。ここでさらに興味深いのは、《男人四十》は王海峰(アレキサンダー・ウォン)の皓星の作品だが、最初に許鞍華にコンタクトを取ったのは爾冬陞だったということだ。爾冬陞はこの物語を聞いて、かつて自分が出演した《今夜星光燦爛》を少しでも思い出したのだろうか。そしてもちろん監督の許鞍華はどうだったのだろうか、聞いてみたいものだ。


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