葉徳嫻《桃姐》でベネチア映画祭主演女優賞

葉徳嫻。現在63歳の葉徳嫻(デニー・イップ)は、11年ぶりの映画《桃姐》で昨日、ベネチア映画祭主演女優賞の栄誉に輝いた。彼女は受賞の舞台でしなをつくることも涙を見せることもなく、一夜で国際的な女優になったにもかかわらず、一環して冷静。受賞後感想を語り、大変嬉しいが生活には何も変化はなく、特に祝賀会も行わない。カップ麺でも食べますよと話した。
葉徳嫻は、オスカー女優ケイト・ウィンスレッドや國際的に演技を認められているキーラ・ナイトレイを下して、映画《桃姐》で香港初のベネチア映画祭主演女優となった。葉徳嫻はまた、19年前鞏俐(コン・リー)が《秋菊打官司(秋菊の物語)》で受賞して以来、中国人で2人目の受賞者となった。彼女は授賞式の舞台上、イタリア語で感謝を述べ、会場は拍手に包まれた。
授賞式後の記者会見で葉徳嫻は、《桃姐》の許鞍華(アン・ホイ)監督、男優賞のマイケル・ファスベンダー、審査員長のダーレン・アロノフスキーと現れ、大きな拍手で迎えられた。
葉徳嫻は、「自分もだんだんと歳をとっていきます。《桃姐》を撮り終えたあと、養老院には入りたくないと思いました。香港に帰ったら沢山稼いで老後を過ごしたいです」と笑った。審査員長のダーレン・アロノフスキーの《桃姐》に対する評価は大変高く、「この映画は大変感動的です。デニー・イップの劇中のパフォーマンスは飛び抜けています。彼女本人がこんなに若くセクシーで美しいとは思いもよりませんでした」と話した。
葉徳嫻は香港時間昨日深夜ホテルに戻り、本紙記者のインタビューを受けたとき、大変落ち着いており、「歳を取ったからかもしれません。賞をもらっても興奮するようなことはありません。特別にお祝いをすることもありません。私はお酒は飲みませんから、カップ麺でも食べましょうか。本当に何か特別な感覚はないのです。わざと感情を作ってみることもしたくありません。しいていえば外国人も、私たち黄色人種の映画を受け入れてくれたのだなということです。中国や香港やだけでなく、日本も。」
受賞後特に感想はないという。「たとえ受賞しなくても、残念だとは思わないでしょう。映画は撮り終わっています。結果は審査員に任されているのです。だから何も感覚はないのです。もし撮影中に演技が駄目というなら残念な気持ちですけれど」と話した。
ベネチアでの受賞は彼女の芸能人世最高だと感じたかとと言うと、「そうは思いません。ただこの役にたまたま遭遇してよく演じられただけです。受賞の瞬間には嬉しく思いましたが、その後は何もありません。普通どおりの生活です。基本的にそうですから。いつも浮かれていてはいけません」。また彼女は「今回の受賞は、1つはみんなに認めてもらったということ、もう1つは劉徳華アンディ・ラウ)に。こういう小資本の映画によく投資してくれました。私は本当にこの子(劉徳華のこと)は偉いと思います。彼はつねにエネルギーを発している人です」と語った。また彼女は笑って、しばらくは華仔劉徳華)とは離れ、他の俳優と仕事をして交流したいと話した。「オファーを受けるかどうかは脚本次第です。でも他の俳優さんと撮りたいです。いつも華仔と一緒では観客も飽きてしまうでしょう」。
受賞しなかった劉徳華について葉徳嫻は、「ノミネート者の水準は大変高く、評価はつねに自分の好みによるものです。最優秀俳優賞にはその他の要素もあります。たとえば一目惚れのようなものですね。華仔の演技は他の人と比べてけして遜色はありません。あるいは他の人が彼よりす優れていたのかもしれませんね」。2001.9.12「蘋果日報