八星抱喜

《八星抱喜》甄子丹(ドニー・イェン)、呉君如(サンドラ・・ン)、古天樂(ルイス・クー)、陳慧琳(ケリー・チャン)、杜汶澤(チャップマン・トー)、熊黛林(リン・ホン)、黄百鳴(レイモンド・ウォン)、楊冪(ヤン・ミー)、林雪(ラム・シュ)、應采兒(チェリー・イン) 
陳慶嘉(チャン・ヒンガー)・秦小珍(ジャネット・チュン):監督


夫と離婚、仕事も子育ても困らないが、たまーに困ることがある。そんな時に思いついたのが、女性たちをサポートしてくれる暇な男性を捜すウエブサイト。そこにやってきた助けを求める女性と、暇にまかせてネットサーフィンしてハグだけの報酬でボランティアを買って出た男性たちの物語。
妻と離婚、娘(呉千語)にもいやがられている弁護士の朱玉剛(黄百鳴)は、仮の父親を捜していた大金持ちの娘・思思(楊冪)の結婚相手選びを手伝ってやることにした。売れない時代遅れのロックシンガー譚冠榮(甄子丹)は暇にまかせて、パーティー出席のため見栄えのいい彼氏を捜している元アイドル歌手・宋秋波(呉君如)を助けてやることにした。ところがパーティー会場で身分がばれて宋秋波のメンツは丸つぶれ。さらに行き場のない宋秋波が譚冠榮の部屋に転がり込んできた。フライトを終えて帰ってきた彼女は、自分には他に好きな人がいるといって部屋を出て行ってしまう。失意の譚冠榮は、宋秋波に今日は1人にしないでくれと頼むのだった。かつて舞台で転んだのがトラウマになっている宋秋波を理想はないのかとしかり、夢に向かっていこうとはげます譚冠榮、2人はコンテスト出場を目指して練習に励んだのだが・・・。土木作業員の彭堅(古天樂)は、カメラマンのJULIE(陳慧琳)のモデル募集を見てやってきた。JULIEは師匠から写真に愛が足りないと言われており、写真撮影のため彭堅と疑似の恋愛をしようとしていた。彭堅はすっかりそれに騙されてしまうのだった。恋愛小説家の華一星(杜汶澤)は、盲目の女性・談笑(熊黛琳)に初戀の感覚を体験させようとかって出る。容姿にコンプレックスのある華一星は眼の不自由な談笑との恋愛ごっこに次第にのめり込んでいった。そしてついに彼女の眼が見えることになった時・・・。


なんといっても一番の驚きは甄子丹。ヘアスタイルも服装もこんなに楽しそうに、そしてカンフーがなくてもとても魅力的な甄子丹が見られる。時代遅れのロッカーだけど心の中には夢や理想がつまっていて、けしてあきらめない男・譚冠榮は、まさに甄子丹そのもの。呉君如とかつてアイドルでコンビを組んでいたのは田蕊妮で、2人が踊って歌う場面が絵に描いたようなアイドルで大笑い。そして甄子丹と、これまで逃げてばかりいた呉君如が、最後には勇気をふりしぼって全力で歌う場面に感動。
陳慧琳と古天樂のカップルは、陳慧琳がずっと足を出した衣装、さらに途中色っぽい服を着たりするのだが、男前な性格の陳慧琳は色けがたりないので、まったくいやらしくならない。方や古天樂は土木作業員で変な英語を挟んだ話し方。上半身裸になったりの大奮闘。このカップルは方や芸術家、方や土木作業員というある意味身分違いの恋なわけで、古天樂は友人たちにデートやプレゼントについてあれこれ相談するのだが、すべてがちぐはぐ。プレゼントの品物が大笑い。最後に古天樂は自分が騙されていたことを知り、多いに傷ついてしまうのだが・・。
杜汶澤と熊黛琳のカップルは、杜汶澤の容貌が明らかに陳可辛、熊黛琳はぶりっこ風、そして身長差カップル。陳可辛の献身が嘘から本当に変わっていく。
最初に登場する黄百鳴と楊冪は親子の話し。楊冪は大陸でこのところ人気の女優。微妙に安っぽそうなところがいいのかもいれない。水着姿もご披露してのサービス。
今回は脚本がまあまあいいのだろう。昨年の《最強囍事》より格段面白い。旧正月映画としては満点をあげてもいい。
2012.1.21@新寶戲院


■□12年に見た映画一覧□■